7/12(木)に、サマーセミナー2018を開催しました!
今回のセミナーは、40名程の方々にお集まりいただき、会場がいっぱいとなりました。
ご参加して頂いたみなさま、ありがとうございました。
今回で3回目となるセミナーは、「自責」で風土を変えよう!をテーマに、「元祖イクボス」の川島高之氏をゲストに迎え開催しました。
プログラム
① 働き方改革チャレンジ宣言
② 川島高之氏の話題提供
③ イクボストークセッション
④ グループディスカッション「今日から「自責」で取り組むこと」
1.働き方改革チャレンジ宣言
金沢市経済局労働政策課 東田課長より、あいさつがありました。
「金沢市働き方改革チャレンジ宣言企業」とは、働き方改革の推進途上にある企業が、
① 取組テーマ
② 目標
③ 取組内容
④ 取組期間
を設定し、目標達成に向け、市が実施するワークショップ等で継続的に話題提供を行い、
取組をブラッシュアップするもの。
採択された6社の担当者が声高らかに「働き方改革チャレンジ宣言」をしました。
今回、採択されたチャレンジ宣言企業は
・医療法人社団 博友会 金沢西病院
・株式会社家元
・株式会社カネマサ
・株式会社タカナリ
・株式会社トーケン
・若松梱包運輸倉庫株式会社
6社のこれからの取組目標は、以下の通り。
医療法人社団 博友会 金沢西病院 |
・2019年までに時間外労働を半減
・平均有給休暇取得率を平均40%以上に向上
・1年以内離職率を20%以下に
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株式会社家元 |
・週休3日制度を導入に向けた、
週1フリー出勤の試験的実施
・効率的な仕事の仕方の実現
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株式会社カネマサ |
・ペーパーレス化の実現
・テレワーク環境の整備
・女性の社会進出の促進
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株式会社タカナリ |
・時間短縮しつつ、満足できる技術の精度を向上
・会社と従業員の方向性のベクトルの一致
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株式会社トーケン |
・多様な人材の採用
・社員に応じた働き方の推進
・若手や女性社員の適材適所や人材活用
・意識改革を伴う業務改革
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若松梱包運輸倉庫株式会社 |
・ワークライフバランスを支える職場を実現
・「居心地」と「刺激」を両立する職場を実現
・男女ともに活躍できる職場を実現
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上記の6社のように自社内の改善が始まりつつあり、
これから、日本一働きやすいまち金沢をめざして、このような働き方改革が進むことが期待されますね。
2.川島高之氏のミニ講演
「イクボスで、成果と笑顔が共にアップ」をテーマにした川島高之氏から話題提供は、15分という限られた時間だったにもかかわらず、さすが!心をわしづかみのプレゼンでした。
川島さんは、現在NPO法人コヂカラ・ニッポンの代表ほか、さまざまなNPOや会社の役職を務めていますが、大学卒業後、商社に入社。その後、上場企業の社長となった3年間に、利益80%増、残業1/4,社員満足度過去最高を達成しています。
そして、50歳ですっぱり退職して、起業するという自らハイブリッドな人生を実践しています。
川島さんから聴衆へ、一番に伝えたいメッセージです。
・人生は一回。3倍楽しもう(Work Life Social=Hybrid人生のススメ)
・仕事と私生活は、相乗効果の関係(私生活の充実が、仕事の能力・成果を高める)
・ワークライフバランスは、経営戦略(組織の成果と、部下の満足度は比例関係)
昭和の時代、経営者は、「いつでもどこでも働ける無制約社員に控えの選手多数」というチームの監督でよかったのですが、少子高齢化の今、そんなチームでは勝てません。ワーママ、イクメン、高齢者、通院・治療、資格・勉強、障がい者、片親家庭etc、働く場所や時間に制約のある社員のメンバーで勝てるチームにしていくのが、これからの上司です。
また、ワークライフバランスという言葉が、なにか“ゆるいもの”と認識される風潮に対して、“時間を短縮して成果をあげるきびしいもの”であると強調。
そして、成果を出しつつ「人生100年時代」を迎えるには、仕事オンリーではなく、地域活動、家族との時間、趣味や学習などで、一人ひとりが無形資産を築くことが一番大切であるとのお話でした。
では具体的に、経営者は何をすればいいのか?
・社長などトップの強いメッセージと行動
・人事評価、就労規則、職務規定などの改訂
・クラウド、AI(RPA)などのICT投資
・上司(管理職)の意識と行動改革
という4つのポイントのうち、「意識と行動改革」が最重要ということでした。
また、部下がやるべきこと、
・職責を果たす
・仕事の裁量権を取る
・不満を言うのではなく、「自責」で行動する
については、川島氏の新書「職場のムダ取り教科書」にも詳しく書かれていますので、
ぜひお求めください(笑)
最後に、会場の皆さんへ
・ワークライフバランスは与えられるものではなく、自ら「奪取」するもの。
・ワークライフバランスの出来ない理由を挙げるのではなく、出来る「手段」を考え、実行する。
・人生を欲張り、「貪欲さ」を持ち、働き方改革は生き方改革である。
「仕事だけの人生ではなく、人生は一度であるのだから、楽しく貪欲に生きましょうよ。」
と力強いメッセージを頂きました。
3.イクボストークセッション
続いて、川島さん×若松孝夫さん(若松梱包運輸倉庫株式会社)×安江雪菜さん(株式会社計画情報研究所)の3名のトークセッション。
若松梱包運輸倉庫株式会社さんは、働き方改革チャレンジ企業&金沢イクボス企業同盟の加盟企業でもあります。
■効率性の向上と生産性の向上はちがう
安江さんからの質問について、川島さんは、
「効率性の向上」とは、無駄を減らすこと。
「生産性の向上」とは、仕事時間を減らしつつ、仕事の成果をあげるもの。
として位置づけました。
効率性の向上は、これまで8時間かかっていたものを4時間にするというものですが、生産性の向上は利益や顧客価値を分母とし、分子が社員の時間。
つまり、効率性の向上で空いた時間で、新たな価値やイノベーションを生み出すことが狙いであって、それが経営戦略です。
効率性だけを求めると職場はギスギスしてしまいますが、無駄話が多い職場ほど社員がお互いのことを知ってカバーをしあい、生産性も向上するということでした。
■ベテラン社員と若手社員、それぞれどう向き合えばいいの?
会社が好きすぎて、しょっちゅう会社に顔を出す会長や、「有休はけしからん」、「残業する社員ほどかわいい」などのボスも巷にはいるでしょう‥
そんなボスや上司に川島節、炸裂です。
・ベテラン社員は、「若手に席を譲り、伝承する」、「若手のサポート役」、
「行動習慣の見本」となること、そして若手にはきちんと役割期待を与えて伝えること。
・中間管理職には、プレイングマネージャーになっている人が多いが、
ここはマネジメント比率を上げ、部下に裁量権を渡すこと。そして若手社員のサポートに徹すること。
権限委譲ですね。
若手社員に向けては、
・自責で働く、自分で出来ることは自分でやると意識づけすることが大事
であるとのこと。「自責」ってよく考えると重い言葉です。「上司が…」「会社が…」「国が…」と言っていても環境は変わりません。不満を言うより自分で行動を変えることが先決。
■それぞれの働き方改革の進め方
若松さんは、人事評価の見直しや給与の一律ベースアップを行って、社員満足度を高めながら品質も高める好循環のサイクルを狙っているそうです。
建設コンサルタント業界の若手技術者の会をつくって活動している参加者から、このままでは業界を志望する学生がいなくなるという危機感から、「自責で行動すること」、「自分たちの世代だけではなく下の年代に広げること」を意識して活動に取り組んでいるという声がありました。
その他、会社として残業削減に取り組んだ結果、残業手当が減ってしまい、困っている社員も多いという声も。これについては根深い問題です。業界によって事情は異なりますが、経営者も働く人もwin-winにならないと個人の幸せにつながらない・・・とても考えさせられるテーマでした。
4.グループディスカッション「今日から「自責」で取り組むこと」
参加者で4~5人のグループになり、意見交換やディスカッション。
最後に「自責」で風土を変えるための取り組みをふせん紙に記入しました。
「部下を信頼すること」、「時間の使い方を意識すること」、「自分や上司を笑顔にすること」などのポジティブな意見が多かったようです。
最後に、ナイス質問の参加者お二人に、川島さんからサイン本を贈呈していただきました!
「自責」
上司や部下が自分の責任で行動する「自責」
働き方改革といわれると、どこか他人事でもあり、会社が取り組むことのように聞こえますが、「部下と上司の関係」→「自分と会社」→「業界」のように、自分から始める小さなステップで考えていけば、やることは多いはず。
そして、確実に自分の「生き方改革」へとつながってきます。
金沢イクボス企業同盟では、働き方改革やワークライフバランスに関連する学びの場や、企業同士の交流会を予定しています。
次回は、9月27日(木)少子化ジャーナリストの白河桃子氏をお招きしたフォーラムを開催します。
白河桃子氏は、国の「働き方改革実現会議」の有識者議員を務められており、法案成立の意図やこれからのあるべき企業の姿についてご講演を頂く予定です。
2018年07月27日 11:27