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活動報告

【レポート】withコロナで「働き方改革」~ありたい姿から「いま」を見る~

イクボス
9月24日(木)にwithコロナで「働き方改革」と題して、金沢イクボス企業同盟初のオンラインセミナーを開催しました。
 
新型コロナ感染症の影響により、私たちの生活や社会は変化を余儀なくされ、現在進行形で状況は変わっています。
今回のセミナーでは、コーディネーターにワークライフバランス北陸の受川寛さんをお招きし、生活や社会の変化に対してどのように対応したかを市内の事業所での3つの事例を紹介しながら、参加者全員で、withコロナ時代の働き方について考えました。
 
〇事例紹介いただいた方々   
株式会社越村商店 庶務業務部 部長 羽布津 忍 様
すえひろこども園 園長 辻岡 秀雄 様、副園長 兼保 裕美子 様
金沢機工株式会社 取締役 総務部 部長 田中 智 様
 

現場があったり、子どもがいたり、お客さんがいたり、目の前に人がいる仕事

まずは、コーディネーターの受川さんから3社に働き方の変化についてインタビューです。

画像1 ワークライフバランス北陸 受川寛専務理事


受川:withコロナという環境で、みなさん働き方を変えたと思います。これから色々お聞きしていきたいと思いますが、はじめに皆さんの会社の業務内容を教えてもらえますか?
 
羽布津(越村商店):事業所から不要物を集め、工場で加工し、新たな資源とするリサイクル業です。現場での仕事がメインです。
 
辻岡、兼保(すえひろこども園):大人を信頼できる保育、子どもに寄り添う保育を目標しています。色々な活動を通じて、自己肯定感を高める教育をしています。また、地域から愛される福祉の拠点になろうと活動を進めています。
 
田中(金沢機工):一般で使う消費財ではなく、工場で使う生産財を販売するメカトロニクス専門商社です。また、製造業の問題を現場で聞き、解決することが私たちの役割です。

受川:皆さん現場があったり、子どもがいたり、お客さんがいたり、目の前に人がいる仕事をされているんですね。
 

①何から・どんな部分から始めましたか

受川:皆さんの働き方改革は、何から・どんな部分から始めましたか?
 
田中(金沢機工):在宅勤務の検討はコロナ禍以前から行っていましたが、小学校の休校指示が出たことで、お子さんのいる社員が在宅勤務できる環境の整備を優先的に行いました。その後、2週間という短期間で、全社員が在宅勤務できる環境を整備しました。短期間での働き方のシフトは大変でした。

画像2

株式会社越村商店 商務営業部 部長 羽布津 忍さん


羽布津(越村商店):現場での仕事がほとんどなので、社内で感染者が発生しても現場の仕事が止まらないことを最優先に考えました。具体的には、支店間の移動禁止、社員の交代出勤、管理者のテレワーク、オンライン会議から始めました。
 
辻岡、兼保(すえひろこども園):コロナ禍以前から行っているIT化が役に立ちました。子どもの記録等の事務作業が多いので、コロナ禍に関わらずIT化で仕事の効率化が図られました。
 

②印象的な社員・職員の反応や変化

受川:働き方を変えてから印象的な社員・職員の反応はありましたか?
 
羽布津(越村商店):店舗勤務の社員を固定化した際に、人員不足が起こり不満が出ました。また、Teamsを全社的に導入しましたが、新しいものに対する拒否反応のようなものがありました。他にも会議がオンライン化したことによる不安や、コロナで先行きが見えないことに対する不安等、新しいことに対するネガティブな反応が多かったように思います。
 
受川:新しいことに対するネガティブな反応にはどのように対応したのでしょうか。
 
羽布津(越村商店):新しいことを導入するメリットを伝えることと、とりあえず使ってみてもらうことを徹底しました。
 
田中(金沢機工):2週間の短い期間で在宅勤務を全社員で行う体制を整備する時には、越村商店さんと同じく拒否反応はありました。ネガティブな反応に対しては、感染を防ぐためにも、社内の出勤率を下げ、密を避けることを徹底したいと伝えていました。最初から完璧な体制にすることはできないので、やりながら改善を続けた結果、働き方改革につながっていったと思います。

画像3

すえひろこども園 園長 辻岡 秀雄さん、副園長 兼保 裕美子さん


辻岡、兼保(すえひろこども園):適切な給与、休暇、公正公平な職場環境を整備していましたが、学校が休校となっても、保育園は休園できず職員から不満はありました。しかし、保護者からの感謝や、地域のライフラインを守っているという職員自身の自覚もありました。
 
受川:皆さん、コロナ禍による目の前の難しい現状を打破するための取り組みを行った結果、働き方改革につながっていったのかと思います。
 

③働き方を変えて良かったと思うことは

受川:働き方を変えて良かったと思うことを1つ教えてください。
 
辻岡、兼保(すえひろこども園):コロナ禍に限ったことではないですが、休みやすい体制を整備すれば、保育園の運営も安定することがわかりました。
 
羽布津(越村商店):現場の仕事は変えようがありませんでしたが、Teams等の新しいツールを導入したことで、教育やコミュニケーションのあり方が変わり、時間や場所を限定しないコミュニケーションが行えるようになり良かったと思います。

画像4

金沢機工株式会社 取締役 総務部 部長 田中 智さん


田中(金沢機工):いつでもどこでも働けるという意識が社員に浸透したことと、社員のペーパーレス意識の醸成につながったことが良かったです。

 

受川:「働き方」はコロナの影響を受けて、強制的にシフトしようとしています。その中で「テレワーク」が急速に普及していますが、皆さんにはテレワークを1つのきっかけにしていただきたいです。テレワークは本来「離れて仕事をする」という意味です。テレワークをすることが目的ではなく、職場を離れたり、増えたり、減ったり、職場が固定しづらくなった。そこで、働き方をどのように変えていき、これまでの質や量を保つかが、本来の目的です。組織のありたい姿を思い浮かべながら、働き方を変える1つのきっかけとして、「テレワーク」を考えてみてください。


\テレワーク導入の際のポイント/(ワークライフバランス北陸 受川専務理事)

①属人化から標準化にシフトしていくためのナレッジマネジメント
(知識や情報の管理と一元化)
②事業の継続と社員の安全と健康を守るためのルールづくり
(アクセス権、チーム分け、緊急時対応)
③社員のメンタルに気を配り全体最適・部分最適を考えた定期的なメンテナンスと改善と現場の声のヒアリング

 

ブレイクアウトセッション

事例紹介をしていただいた後は、2グループに分かれてディスカッションをしました。
ディスカッションのテーマは「職場環境や働き方を変えようとしたとき、何が難しいと感じますか?」
デスクワーク、現場がある仕事、対面の接客等、働くスタイルは多種多様です。その中で、働き方を変えようとしたときに、どんな壁があるのか。変えてはいけないこと、変えられないことはなにかも加えて、ディスカッションしました。
 
ディスカッションで出た意見はこちら↓
・リモートワークや在宅勤務への移行はスムーズにできたが、仕事の時間と家族の時間の切替がうまくできない。
・リモートワークへの切替には、費用がかかる
・変えてはいけないことは、組織の理念とありたい姿、個別化だけではなく社員同士の横のつながりは必要。オンラインだけではなく、対面のコミュニケーションも変えてはいけない。
・準備が大切!何があっても柔軟に対応できる準備が必要。
・今までは労働時間で評価していたが、働き方を変えていくためには、成果での評価にシフトしていく必要がある。
・テレワークだと孤独感がある。社員には個別の丁寧な対応が必要になる。
・先のことを見据えて、目先の失敗を受け入れるチャレンジングな風土に変わることが必要。
・コロナをきっかけに会社を強くする!
 

「余白」の大切さ

受川:皆さんwithコロナ時代に対応するために、様々な工夫をして働き方を変えようと取り組んでいることが、事例紹介やディスカッションから伝わってきました。最後に皆さんに忘れて欲しくない「余白」についてお話しします。新型コロナウイルスの影響は会社だけではなく、皆さんの生活にも顕著に表れていると思います。そして、見えない何かに恐れ、抑圧と開放が交互にやってくる不連続な波に流されまいと、必死に立ち向かっています。その中で、「時間と場所」について「これでもか!」という制限を受けています。飲食店などでは、隣の席に×印があったり、受付やレジにはフィルムが張られ、非接触が良しとされています。ZOOMでは、一見、効率の良い話し合いができますが、1日に何回もの打合せで気力も体力も疲弊してしまいます。以前の私たちの生活には、もう少し「余白」がありました。雑談、移動時間、1人の妄想、さぼり。これらを失うことは、創造性の欠如や、寛容な人間性を失うことでもあります。「余白」が持つ意味や大切さについて、忘れないで欲しいと思います。本日はありがとうございました。
 

終わりに・・・

コロナ禍で、我々のライフスタイルや仕事の仕方などがかなり変化しました。今回は「テレワーク」を切り口に話し合いましたが、そのような中で、これまで無駄と考えていた移動や雑談などの時間の喪失が、逆に我々の「創造性」や「寛容な人間性」を失わせた、という最後の言葉に「ハッ」とさせられたようにも思います。
「働き方改革」を進めていく中で、そして組織の「イクボス」として、この「時間」に代わる「余白」をどのように捉えていくかについては、今後の機会に、改めてテーマとし、取り組んでみたいと考えております。
 
これからも金沢イクボス企業同盟はセミナー等の開催を通して、さまざまな情報の提供を行い、皆さまの課題解決や目指している働き方の実現を図っていきます。

 

2020年10月19日 14:31

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