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活動報告

【レポート】「働き方改革フォーラム」で安藤哲也さんがご登壇!
 

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 1/31(金)、金沢市主催の「働き方改革フォーラム」にてNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也さんにご登壇いただきました。
 
 約1時間半があっという間に感じるほど中身が濃かったお話の様子をレポートします!

イクボスは「社会を育てること」

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 まずは、「イクボス」が必要となってきた背景について。
 
 制約のある社員の増加や社会の価値観の変化などから、これまでのように制約のない労働者を中心としたマネジメントでは、成果を上げることができなくなっており、「男女問わず全て」の労働者の育児や介護などの事情を理解する「イクボス」が必要になってきているとのこと。
 
 ここで、改めて「イクボス」とは、、
 
 「職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のこと」
です。
 
 安藤さんは「イクボス」を実践することで、部下や企業組織を育てるのみならず、「社会を育てる」ことにもつながると言います。
 
 目先の利益や常識にとらわれず、社会のことも考える広い視点でマネジメントをすることがこれからの時代には求められているとのこと。
 
 また、マネジメント=管理ととらえるのは間違いで、多様な人材を「編集」して組織を上手にまわしていくことが、本当のマネジメントだと安藤さんはおっしゃっており、「管理職」という言葉も見直した方が良いと提案します。
 
 管理職の仕事は、人材育成であり「育成職」という名前の方がふさわしいのではないか!ともおっしゃっていました。
 

マネジメント手法としての「イクボス」

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「働き方改革」に対しては、多くの事業所が勘違いをしているといいます。
 
 労働時間の短縮などの単なる「働かせ方改革」ではなく、以下の3つを行うことが真の「働き方改革」だと言います。
 
  • 生産性の向上
  • 健康経営
  • 多様性の推進
 
 これらを実現するためにどんなマネジメントをすることが大事か、安藤さんからさまざまなお話がありました。
 
例えば、、
 
 生産性を上げて、労働時間が減ったとしても「残業代がなくなったから生活が苦しくなった」という人がいることはおかしなことであり、経営者は覚悟を決めて、業績が上がったら社員に還元してほしい!という話や、
 
 海外と日本の初任給の差などにも触れ、今のままでは優秀な人材がどんどん日本を出て行ってしまうと警鐘を鳴らしたり、
 
 日本企業の大きな課題として「長時間労働」と「業務の属人化」を挙げ、個人が遅くまで頑張って働いて結果を残すのではなく、短い時間で成果を出す「work smart」を推奨しようというお話もありました。
 
 また、ご自身が大企業の管理職だった時のエピソードも紹介。
ペットを大事にする社員がいたので「ペット休暇」を作り、ペットの具合が悪い時などに休みが取れるようにしたご経験もあるとのこと。
 
 ただ、安藤さんが強調するのは、どれも業績を残すために行ったものである点です。
 
 社員の個人的な事情を大事にすることも、すべてはチームで同じ目標に向かって仕事をするための環境づくり。そのために、日頃から仲間とミッションを共有し、仕事の仕方を変えていく勇気も必要だとおっしゃっていました。
 
 「イクボス」を推進しているのは、これからの時代に企業が成果を出すために必要なマネジメント手法として大事だと感じたからだとも。
 
 「昔からこうだった」とか「自分はこうやってきた」というある意味思考停止ではなく、安藤さんはあくまで成果を出すための手段として「イクボス」のマネジメントを行ってきたのだと感じました。
 
 また、大事なのは「働き方改革」にどう取り組むか、ではなく「成果を上げるためのマネジメントとは何か」ることであり、その結果が「イクボス」だという点です。
 
 この話を聞いて、成果を上げるにはどうしたら良いか。それが本当に今までのやり方で良いのか。自問するところから働き方改革は始まるのだと感じました。
 
 また、安藤さんの「イクボス」としてのお話の中には、「社員を信用することが大事」という話もあり、個人個人がいかに「存在意義」を持って働く環境を作ることができるかが「イクボス」のマネジメントにおいて重要な点なのではないかと感じました。
 

「どれも7掛けで良いから、諦めずに全部やっていこう」

 そして、これからの社会で生きていくためにどんな「生き方改革」が必要か、というお話に続きます。
 
 2060年の人口ピラミッドを見ると「ムンクの叫び」のような形になっていることから将来の日本を「ムンク社会」と安藤さんは名付けます。

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参考:国立社会保障・人口問題研究所
 
 団塊の世代と言われる昭和23年生まれの人口が約250万人居る中、今年の新生児は約86万人であり、人口が減っていくことは明らかです。
 
 この人口構成を見ても、これからは子育てで制約のある社員より介護による制約を受ける社員が増えるといいます。
そんな社会の中で重要なのは「マルチステージ」の生き方。
 
 人生のさまざまなステージに合わせた生き方を選んでいく時代であり、現在の副業解禁の流れもその一環だと示してくれました。
 
 そして、「生き方」においても何かを選んだら何かを選べない「天秤」ではなく、いろいろなことを盛り込んだ「寄せ鍋型」でいこうという提案をいただきました。
 
 仕事だけでなく家庭も地域も。趣味も育児も介護も。
 
 どれも7掛けで良いから、諦めずに全部やっていこうという言葉がとても印象的でした。
 
 諦めないことで、それぞれが相乗効果を生む「ワークライフシナジー」が、これからの生き方であると締めくくられました。
 
 安藤さんのお話の中には、「金沢はまだまだだなあ」と耳の痛いことも多くありました。しかし、社会で起きている変化は大きく、自身が変化しないと時代に取り残されてしまうことを改めて感じました。
 
 また、安藤さんのお話しは「よく考えるととてもシンプルなこと」ばかりでした。
 
 今まで当たり前だと思って受け入れていたことも、少しでも違和感を感じたら諦めずに向き合って考えることが大事だと感じました。
 
 会社に勤めている人も、経営層の人も一人の人間としてどういう生き方をしていくか。
 
 目の前の人や生活を幸せにしつつ、社会全体や次の世代が幸せになることも見据えて自分の頭で考え、行動していくことが大事だと気づかされた講演でした。
 
 
2020年02月10日 11:01

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